取組み内容

東日本大震災の発災当時、私は福島県に住んでいました。そのこともあり、同震災以降、効果的な災害対策をどう実現するのかに関心を寄せるようになりました。

私の専門である法学のアプローチからは、まず、現在整備されている災害対策の法制度について、どのように解釈・運用すればよいかを考えます。その上で、現行法制度では限界がある場合には、新たな制度設計を検討することになります。いずれにせよ、効果的な災害対策の実現には、法制度による担保が重要であると考えるわけです。

もちろん、法学のアプローチだけでは限界があります。法学は、法的に許容される仕組みを提示することができますが、その中でより合理的な仕組みを目指すには、社会学、政治学、経済学などの知見を踏まえることが不可欠です。

この点、現在所属している情報コミュニケーション学部は、学際的分析による現代社会の課題解決を重視しており、最適な研究教育環境にあります。教育面でもその環境を生かすべく、ここ数年のゼミでは、「福島原発事故後の地域再生と環境回復」をテーマに、文献調査やフィールドワークを踏まえた法政策提言に取り組んでいます。今年のゼミ生の提言が、今から楽しみです。

東日本大震災から2年半後の2013年10月、福島県浪江町請戸漁港の様子。「陽昇」の石碑に励まされ、「陽はまた昇る」と決意を新たにしました。
熊本地震から2か月後の2016年6月には、熊本を訪れました。
現場を自分の目で見て、当事者のお話を自分の耳で聞いて、将来を見据えて自分の頭で考えることを大事にしています。
2024年度の初回ゼミで、4年生が3年生に昨年度の成果報告をしている様子。2023年度のテーマは、「福島復興再生特別措置法の下での移住定住支援政策」でした。