取組み内容

根寄生雑草とは、文字通り、植物の根に寄生して生育する雑草のことです。アフリカ等の地域では、根寄生雑草が農地に侵入し、重要作物にも寄生し、甚大な被害をもたらしています。今回、明治大学農学部瀬戸義哉准教授、鈴木泰輝(博士前期課程)らは、根寄生雑草を強制的に発芽させ、自殺発芽を誘導する新たな自殺発芽誘導剤の開発に成功しました。今回合成した新たな自殺発芽誘導剤は、根寄生雑草に対する作用を有するだけでなく、土壌中で分解すると、植物の成長を促進する分子へと変換され、実際に植物の根の成長を促進することで、地上部の成長も促進する効果があることがわかりました。今でもアフリカ等の地域では、飢餓が大きな問題となっており、飢餓問題の解決のためにも、食糧生産をおびやかす根寄生雑草の撲滅は重要な課題の一つです。根寄生雑草防除を通じて、飢餓問題の解決に貢献することを目標に、明治大学農学部では現在も精力的に研究が進められています。

掲載論文リンク(オープンアクセスですので、どなたでも読むことができます)https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fpls.2022.843362/full

日本国内でも生育する根寄生植物の一種であるヤセウツボの写真。左は明治大学生田キャンパスで見つかったもの。右は、実験室内で赤クローバーに寄生させた際の様子。ヤセウツボは葉緑体をもたず、すべての養分と水分を宿主に依存して生育する。
今回新しく合成した自殺発芽誘導剤化合物の化学構造。分子全体では、根寄生雑草の自殺発芽を誘導する作用を有しており、赤色で示した部分が分解して生じると、植物に対して生育促進作用を発揮する。