取組み内容

 健康に関するエビデンスは日々更新されているが、それが必ずしも一般市民に向けて十分に行き届いているとは限らない。そのため、適切な健康情報を正しく、適切かつ効果的に普及することを目的にヘルスコミュニケーション研究に取り組んでいる。近年、技術革新や生活環境の変化に伴い身体活動量は減少し、長時間の座位行動(座りすぎ)が増加傾向にある。また、座りすぎが総死亡、心血管疾患やがん死亡、2型糖尿病発症と関連すること等、健康への悪影響に関するエビデンスが蓄積されつつある。さらに、その悪影響を減らすためには、同じ姿勢を続けないことや、動く強度よりも頻度の多さが重要であることも指摘されている。しかし、座りすぎの問題やその対策については十分に認知されているとは言い難い。WHOでは、2020年の改定の際、身体活動に加え、座位行動についても言及し、日本においても身体活動指針改定に向けて座位行動を組み込むよう調整が進められている。それに合わせ、適切に、効果的に分かりやすく座りすぎの問題と対策を普及し、人々が座りすぎの問題を認識し、その改善を意思決定できる支援ができるようコミュニケーション戦略の検討を始めている。

ヘルスコミュニケーションとは(定義)

英国成人の1週間あたりの全身体活動量と座りがちな行動時間(1961-2005年実測値、2006-2030年予測値) Ng SW & Popkin BM. Obes Rev. 2012;13(8):659-80. を改変

座位行動とは(定義)Mark S Tremblay MS et al. Int J Behav Nutr Phys Act. 2017; 14(1):75. から作図

WHO Guidelines on physical activity and sedentary behaviour. WHO身体活動・座位行動ガイドライン要約版の日本語訳(http://jaee.umin.jp/doc/WHO2020JPN.pdf)