取組み内容

2000年にデンマークで始まった「人を貸し出す仮想の図書館 = ヒューマンライブラリー」を10年間ゼミで開催してきた。「本」になって人生を語ってくれたのは毎年30人ほど。性的マイノリティ、視覚障害、義足、難病、難民など、様々な人生をおくっている方々だ。「読者」は「本」と1対1で会って話して自分の物の見方を揺さぶられる。学生は「司書」としてこの運営を一手に引き受けた。2019年からは、研究者もいち参加者として活動する現場生成型研究という手法で、これまで中野区で別々に活動してきた様々なマイノリティ(個人・団体)やダイバーシティを推進するNPO、企業、学校、学生、商店街などをつなげる活動「中野ダイバーシティ・プラットフォーム」を展開している。標語は「バラバラにやるんじゃなくて、みんなつながってやろう」。この活動の中でキーパーソンがつながり、ヒューマンライブラリーも大学を出てまちのカフェで開いたり、障害者アート・生の芸術「アールブリュット」と連携したり、好きな本を持ち寄り語り合う「まちライブラリー」とつながったり、人だけでなく活動もつなげていく展開を構想中である。

ゼミの学生たちは、「司書」として、さまざまな「本」の方たちと本音で打ち合わせを重ね、ヒューマンライブラリーの当日を迎えます。この写真は、そのなかで、学生が切り取った一枚。「知りたい、をめくろう」のキャッチコピーとともに。
同じ生き難さを感じている人たちがその気持ちを共有して働きかけることはとても重要。でも、それだけだと自分たちの文化が強まって、周りからはますますマイノリティとみなされがちです。バラバラにやるんじゃなくて、みんなつながって多様性のまち中野を創りましょう。
人がつながったら、みんなの活動をつなげ、それらを開いて中野区民が継続的にウォッチしていくシステムを創りましょう。そんな活動に、研究者も学生も現場の一員として加わる「現場生成型研究」のスタンスで参加します。