取組み内容

高齢化社会を迎えた日本では、健康寿命の延伸が喫緊の課題です。そして不自由なく体を動かすことができることは、私たちが健康に過ごすことの根幹と言えます。体を動かすための器官、運動器を構成する骨格筋、腱、骨は、それぞれの細胞・組織が正しく作られるだけでは十分ではなく、正しい形で連結し、互いに影響しながら機能を維持する必要がありますが、その仕組みはよくわかっていません。私たちの研究室では、脊椎動物の骨格筋、腱、骨や軟骨が、発生中に相互作用しながら形づくられる過程や、成体で機能を維持する仕組みについて研究しています。研究成果を利用して、加齢や損傷による運動器の機能低下を抑制したり、予防したりする方法を考えることで、誰もが健康に長生きできる社会の実現に貢献します。

マウス胚の骨格筋形態。骨格筋のミオシン重鎖を赤く、腱を緑に染色することで骨格筋と腱の境界部の形態を可視化している。
マウス胚の骨格形態。アルシアンブルー色素で軟骨を青く、アリザリンレッド色素で硬骨を赤く染色することで、骨格の形態と形成プロセスを可視化している。