取組み内容
私の専門は、風向などの「方向データ」を滑らかに可視化する新しい統計手法の研究です。統計学は、少ないデータから全体像を推測する方法を研究しており、持続可能な社会づくりにおいて重要な役割を果たします。私は、研究で得た知見を生かし、長野県のEBPM(証拠に基づく政策立案)モデル構築事業に参画しました。
この事業では、コロナ禍前後の観光行動の変化を分析し、従来と異なる観光需要の傾向を明らかにしました。例えば、ある地域のスキー場では利用者が減少しており、その理由として県外の観光客は遠方よりも近隣のスキー場を利用する傾向が強まっていることが背景にあることが分かりました。こうしたデータに基づいた客観的な証拠は、観光施策や地域振興の方向づけに活用されます。
長野県では、専門家の支援のもと、職員自らが仮説形成からデータ分析、施策への反映までを行う体制を整えています。EBPMの普及は、自治体が環境変化に柔軟に対応し、持続可能な地域づくりを実現するための基盤となります。



