取組み内容

経営学研究科(及び会計専門職研究科)で『環境会計』の授業を担当しているので、SDGsにおける環境関連項目について、教育・研究の両面でかかわることになります。特にここ数年、サステナビリティ情報をめぐる「開示基準」並びに「保証基準」の整備・制度化がグローバルに進行し、気候変動や生物多様性、有害化学物質規制等への対応が企業経営(特に企業財務)にどのような影響を与えるのか(外部環境⇒組織活動への影響)について、投資家向けの情報開示が強く求められるようになってきています。
他方、従来からの環境マネジメントの観点では、企業活動やそこで生産される製品・サービスが環境・社会に与える影響(組織活動⇒外部環境への影響)について、より正確に把握し、定量的に測定・評価することを、多様な利害関係者が求めています。
企業等を社会の構成員(企業市民)として認知し、その活動を社会システム(eco-system)の中に位置付けようとするアプローチは、会計領域ではあまり成功してきたとはいえないかもしれません。しかし、サステナビリティ情報の開示要請は、“社会科学としての「環境会計」”が取り組むべき課題を示していると考えています。

新たに策定されたサステナビリティ開示基準:SSBJ基準(2025年3月)とISSB基準IFRS S1&S2(2023年6月)
TCFD気候関連財務情報開示の提言(2017年6月)、TNFD自然関連財務情報開示の提言(2023年9月)、サステナビリティ保証基準5000(2024年11月)の公表、インパクト加重会計(IWAI)の提案など
環境会計関連のISO国際標準規格;Material Flow Cost Accounting(14051~14053)、Carbon Footprint(14067)、Carbon Neutrality(14068-1)、気候変動関連の投資・資金調達(14097)など
筆者が大学院生の頃に勉強させていただいた環境会計に関連する書籍など